Works/[Collaboration]
『絵画と詩歌-その衝動のありか-』
2013年8月11日(日)
◇第Ⅰ部
「絵画と詩歌の共調-詩の朗読」
金子朋樹×岡田ユアン(詩人)
◇第Ⅱ部
「座談会-イメージをはぐくむ-」
金子朋樹×岡田ユアン(詩人)×滝口浩史(写真家)
文学の一形式である詩歌は、定められた形式の中に言葉を凝縮し、また修辞技法を駆使し、叙情的かつ美的に表現されるものです。古より時に単独で表現され、時に他の表現と結び付く形で書かれることもあった詩歌。それは実際に絵画と共生することは可能でしょうか。
第Ⅰ部ではゲストに詩人の岡田ユアン氏を招き、「ⅰ 詩を元に絵画の制作を行う」、「ⅱ 絵画を元に詩の創作を行う」、「ⅲ 共通のテーマの元、それぞれ絵画及び詩の創作を行う(テーマは「飛天」)」という3つの主題で共調を試み、解説を交えながら岡田ユアン氏の朗読を行いました。
第Ⅱ部では写真家の滝口浩史氏を招き、3者の視点から創作における根源的な共通項を互いの創作の現場から掘り下げていきました。絵画と詩、そして写真。それぞれの“ものづくり”はどのようなところからイメージを手繰り寄せ、そして定着させ、また作品として昇華させていくのかということを主題に鼎談しました。
岡田ユアン/詩人
1976年、神奈川県生まれ、武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科卒業
プロダクトデザイナーを経て、詩を書き始める
2008年 詩集『善良な沈澱物』
2010年 詩と思想新人賞受賞
2012年 詩集『トットリッチ』(第47回造本装幀コンクールにて日本印刷産業連合会会長賞受賞)
日本詩人クラブ、日本現代詩人会会員
滝口浩史/写真家
1977年 静岡県生まれ
2000年 ニューヨーク大学映画学科に夏期短期留学
2001年 東京芸術大学デザイン科卒業
2004年 Canon写真新世紀2004 荒木経惟選 準グランプリ受賞「狭間」
2008年 Nikon Juna21にて個展開催「窓-SOU-」
2013年 アメリカの出版社Little Big Manより写真集「窓-SOU-」出版
ⅰ 詩を元に絵画の制作を行う
ⅱ 絵画を元に詩の創作を行う
金子朋樹作品
水鏡
高知麻紙、岩絵の具、箔
53.0×80.3㎝
2013年
撮影/相羽浩行、松山圭介
ⅲ 共通のテーマの元、それぞれ絵画及び詩の創作を行う
テーマは「飛天」
金子朋樹作品
飛天/Hiten
高知麻紙、顔料、墨、胡粉
145.5×112.0cm
2013年
撮影/相羽浩行、松山圭介
岡田ユアン詩
飛天
香りが風にのってやってくる
未明の水ははりつめたまま
あえかにひらく花芯のような扉をたたく
絹地に滲む朝露の消えあとより
かすかにひろがってゆく記憶
天衣が舞うと風はしずくを遊ばせて
その中へ景色をうつしこむ
水は色をかかえ 黒土に飛びこんでゆく
すり抜けてゆく刻を風はとどまらせたりはしない
やわらかな穂先がたわむ季節や
雨水が岩を穿つ時節をはこび
ただ 通りすぎてゆく
まあるいほしの
まわるきせつが
いくどもいくども
すりぬけて
わたしのような
だれかのような
しってるような
しらないような
きおくへむかっていくような
そこからはなれていくような
あさににたひかり
が みちてゆく
やがて沈黙がやってくる
痛みや匂いをふいになつかしみながら
地上でめざめると
風や水や鳥のことば
約束自体もわすれてゆく
どこかになにかがいるような気配だけ
空は抱きかかえて
しずかに星をひろげる
『イタリア料理とアートのコラボレーション』
「バール リストランテ スクリーニョ」 ✖日本画家 金子朋樹
バール リストランテ スクリーニョ
〒412-0043 静岡県御殿場市新橋1977-3
TEL.0550-78-6223
営業時間
PLANZO(Lunch) 11:30-14:00(L.O)
CENA(Dinner) 18:00-22:00(L.O)
『パレスホテル大宮 レストランクラウン展示』
PEAU 日本画展